その先のミュゼ Vol. 1 ルーヴル美術館 Museé du Louvre

あなたは毎年でもパリに行きたいパリファン? 何度も訪れていると、ルーヴル美術館やオルセー美術館はもう行ったからいいや、なんて思っていませんか? 「その先のミュゼ」はそんな人向けの連載ブログ。ルーヴル美術館やオルセー美術館の超有名絵画の近くに展示されている「これもぜひ見て!」という注目絵画にスポットを当ててみました。教科書に載っている名画を観つつ、そのとなりにある絵画も…. 美術館の奥深さに唸るはず。

 

ルーヴル美術館 Museé du Louvre

名画の脇の絵画にハマるリピート鑑賞

いわずと知れた世界中で最も有名な美術館のひとつ。古代エジプト、ギリシャ、ローマから1856年までの作品を収蔵しています。モナ・リザやミロのヴィーナスだけが名作じゃありません! 1日ではまわりきれないので、リシュリュー翼とドゥノン翼の必見絵画作品をピックアップしてみました。常に込んでいるけれど、水曜日、金曜日の夜間営業日はオススメです。

ドゥノン翼1階 DENON

イタリア・スペイン・フランス絵画コース

ルーヴル美術館に来たからにはやっぱり「モナ・リザ」を! イタリア・ルネサンスの巨匠と呼ばれるレオナルド・ダ・ヴィンチやラファエルロの作品を数多く展示しているルーヴル美術館。 ルネサンスがどのように進化し、周辺諸国にどんな形で影響を与えたのか、そしてフランス19世紀の大作を一堂に観られるルーヴル美術館でとくにオススメのコースから紹介します。

708展示室<初期ルネサンスの2大ヒーロー>
フラ・アンジェリコ 『聖母戴冠』1430~32年

聖母マリアが天に召された後のお話し。冠をマリアに被せているのは息子キリスト。彼らの周りでは、天使たちが楽器を奏で、戴冠式を祝福しています。前景には、髪をほどき香壺を持った赤い衣姿のマグダラのマリアも。金と赤、青など高貴な色を多用。キリストやマリアを大きく描くなど中世ゴシック様式の宗教画の特徴を残しつつも、人物の立体感、衣のドレープなどはより自然に表現。初期 ルネサンスの萌芽を感じられる作品です。

サンドロ・ボッティチェルリ 『聖母子と少年聖ヨハネ (薔薇園の聖母)』1467年

『春』『ヴィーナスの誕生』など、誰もが知る名作を残した初期ルネサンスの大家。 背景にバラの垣根。その前でキリストを抱くマリアと、こちらを見る聖ヨハネが描かれています。彼が描く人物像は優美な表情で、同時代の画家と比べてもすぐわかるほど。植物もトスカーナにいまも自生するものを丁寧に描いています。キリストよりちょっと年上の十字架を持った子、それは洗礼者の聖ヨハネ。宗教絵画にはよく登場します。
710展示室<リアルの追求は醜いところも白日のもとに !>
ラファエルロ・サンツィオ『美しき女庭師 (聖母子と 幼児聖ヨハネ)』1507年

イタリア・ルネサンスの三大巨匠のひとり、ラファエルロの有名な聖母子像。幼いキリストを慈しみの視線で見守る聖母マリア。 十字架を持っている男の子は? そう、洗礼者ヨハネです! ヨハネは、毛皮を着て表現されることも。それまでの聖母マリアは、神の子を産んだ神聖や威厳が強調されていましたが、牧歌的な風景の中、無邪気な幼子をやさしく見守る表現は、マリアの母性を前面に出した新しい解釈。何度見てもホッコリする作品です。

ドメニコ・ギルランダイオ 『老人と少年の肖像』1490年

イタリア・ルネサンスは、古代ギリシャ・ローマの人物表現でキリスト教の逸話を描いたものが多い。ギルランダイオもまた宗教画を得意としていました。同時にリアルな表現を求める側面もあり、実在する人物像を描くことも。これは鼻瘤によって顔の形の変わった老法律家と無垢な少年の醜美の対照を描いています。窓の外の風景は、空想の自然。開放感とともに、赤い衣の人物の写実性に自然と目がいく、そんな絵画です。
710展示室<ルーヴルにはダ・ヴィンチの作品が結構あります>
レオナルド・ダ・ヴィンチ 『聖アンナと聖母子』1508年

聖アンナの膝の上に娘の聖母マリアが乗り、受難の象徴の子羊をつかまえるキリストに手を伸ばす親子3代の図。違和感を感じるのは、マリアの体勢の不安定さと母が娘を支えるために大柄に描かれていること。レオナルドの不思議なこの作品。フロイトや研究者たちが多様な解釈をしてきましたが、真相は謎。赤外線でこの下に別の絵が描かれていたことが判明。「調べると作品を傷めてしまう」と反対派も多く、謎の究明は もっと先になりそうです。
アンドレア・マンテーニャ 『勝利の聖母』1496年

マトヴァ侯爵の勝利を祝して描かれた作品。後にナポレオンによってフランスに持ち去られ、ル ーヴル所蔵になったそうです。中央には聖母マリアとその膝にのるキリスト。そして右側には十字架を持った洗礼者ヨハネが。左にいるのが依頼主マントヴァ侯爵。キリストが手にする赤い花と、聖母の上部にある大きな珊瑚は「受難」を象徴しています。草花や果物、鳥などの自然が描かれていて美しい作品。巧みな遠近法にも注目してくださいね!
… 続く
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